第1海 キャラクターの作り方
その2 設定編キャラクターのデータを作り終わったら、次は背景などの設定をする番です。この時に注意すべき点は、設定を決めすぎないように気をつけるという事です。年齢や性別など、どうしても今決めなければならない事はともかく、兄弟が何人居るとか、学生時代は貧乏だったなんて設定を今すぐ作る必要はないはずです。むしろ決めないでおく事でプレイに幅を持たせる事ができ、またプレイ中にアドリブで設定を決める事によってその場に合った「良い」設定を作る事ができます。少しわかりにくいので例を挙げると、自分のキャラクターがシナリオに絡めなくて困っている時にその場で設定を作り、手近なPCに「あんたは妹(兄でも姉でも何でもかまいませんが)に似ている」と言ってまとわりつけば、なんとかシナリオについていく事ができます。しかし「このキャラクターは1人っ子である」という設定が作ってあったら、他の方法を考えなければならないでしょう。
これは上に書いた背景の設定よりも重要です。性格を決めてしまうと、その性格がキャラクターの行動を支配してしまうので、キャラクター作成の段階では性格は決めない方が良いでしょう。これは実際にプレイする事を考えてみて下さい。キャラクター作成時に性格を細かく決めてしまった場合、プレイの時に「このキャラクターはこういう性格なのでその依頼は受けられない」といってシナリオに絡まなかったり、「このキャラクターの性格ならこうするしかない」といって明らかに見当違いの方向に進んでいったりする事があります。これではロールプレイがゲームを止めてしまうという本末転倒な結果になってしまいます。それならば逆に、シナリオに合わせてロールプレイをしながら「さっきああいう判断を下したのは、このキャラクターがこういう性格だからだ」とプレイ中に性格を明らかにしていく方が良いのではないでしょうか。
さて設定はあまり決めすぎない方が良いと書きましたが、最低限決めなければならない部分はあります。どんなに良いキャラクターでもGMがシナリオに導入できないようではまったく意味がありません。そこで必要になるのが「シナリオに絡む為の設定」です。これはゲームによって大きく変わりますが、多くのファンタジーRPGでは「冒険者」という設定が最もふさわしいでしょう。これはファンタジーRPGの場合、冒険者の所に厄介事が持ちこまれ、冒険者達がそれを解決するという形でシナリオが作られるからです。その他のゲームでも、そのゲームの典型的なシナリオ展開というものを考え、そこに登場できる形で設定を決めればよいでしょう。どうしても思いつかなかったり、あるいは初めてプレイするゲームの場合はGMに相談するのが一番です。時にはGMの方から「こういう設定にしてくれ」と指定してくる場合もあるでしょう。GMはシナリオの都合で言っている訳ですから、必ず従うようにして下さい。
キャラクターを作る際に、やってはいけない設定を挙げておきます。またどんなものであっても、設定を作ったときにはGMの許可を取って下さい。
当たり前の事ですが、常識的におかしい設定はするべきではありません。ただし、自分では気がつかない場合もあるので、そのような時には指摘されたらすぐに直すようにして下さい。
それぞれのゲームには固有の世界観というものがあります。あまりにその世界観からはずれている設定はするべきではないでしょう。ファンタジー世界にハッカーなど居る訳がありませんし、サイバーパンク世界で農夫を作られても居ない事はないでしょうが、クールでハードな冒険が遠のいていくのが目に浮かぶようです。
「実は伝説の勇者の子孫で、御先祖様が残してくれた12体の超強力なゴーレムを操る力を持っている」「悪の組織に改造され、絶対無敵のヒーローに変身する事ができる」「俺の兄貴はこの世界で最強の超能力者で、どんな敵でもイチコロさっ☆」etc,etc……。
文責:柚木千夜