nettyu_日記

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2007-06-01 Fri

[Music] The Clientele "God Save The Clientele"

★★★☆

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The Clientele "God Save The Clientele"

ロンドンの4人組バンド、The Clientele の 3rd アルバム。初めて聴きました。内容ですが、とても聴き心地の良いポップ・ミュージックだと思います。切なげなメロディー、甘いコーラス、アコースティックな音色を基調とし、派手すぎずそれでいてしっかりと鳴らされる諸々の楽器群が、淡々と音を奏でる。最初からそれでずっと押しますが、曲ごとの質の高さからか、退屈することなく最後まで聴けます。さりげないアレンジが、素朴な曲調にはまる。聴き心地の良さといってもオシャレさんな雰囲気に陥ることなく、地に足の着いた演奏をしているなと感じさせるところもいいです。部分的な話をすれば、コーラスがとにかく美しくて素敵。線の細いヴォーカルと絡んでくるところは非常に良いと思います。そんな感じで、いい作品だなと思います。全体を流れる空気にどこかホッとする内容であります。
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2007-06-02 Sat

[Music] 捏造と贋作 『Polarity Integration』

★★★

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捏造と贋作 『Polarity Integration』

久保田慎吾と上野耕路を中心とした総勢11名のバンド、捏造と贋作の 2nd です。初めて聴きました。元ゲルニカですがそちらも未聴。内容ですが、つかみどころが無いなというのが最初の印象です。ホーンやキーボードが俗っぽいフレーズを奏でつつ、基本的には聴きやすいポップミュージックかなと思うのだけど、実はそう感じるのは一瞬で、言葉にできない異物感を強烈に感じます。全体の尖ったアレンジとか、ザラッとしたヴォーカルなどからそういった印象を抱くのかもしれません。歌詞にもユーモアがあってどこか変ですし。メンバーにはダンサーがいるけど、その割には聴き手が身体を揺らすようには踊れない曲が多いですが、色んな曲調でB級全開のイカれた音楽を繰り出しており、面白い音楽だなとは思いました。音源を聴く限りではそこまで好きにはなれませんが、大勢ステージに登場して生で見せられたら妖しい魅力にコロッとやられてしまうかもしれません。
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2007-06-03 Sun

[Music] Dan Deacon "Spiderman Of The Rings"

★★★

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Dan Deacon "Spiderman Of The Rings"

ビニールテープでグルグル巻きにしたメガネをかけ、ゴチャゴチャと機械をつなぎ、極彩色のポップな音楽をせわしなく奏でるオタク系ミュージシャンです。中身は外見どおりという感じで、メルヘン風味かつチープなエレクトロニカをダンスとフリーフォークの音作りで味付けし、引きつった笑顔と一緒に叩きつけるような音楽です。少し前のワールズエンドガールフレンドにチックチックチックとアニマルコレクティブを振りかけてインチキ臭くしたような感じ。こう書くと誉めすぎな気もしますが、どうも安っぽさからあざとさが滲み出ているようで、特にアゲアゲな曲調だとそれがより強くなってしまい、心からは盛り上がれません。ヴォーカル無しでのんびりしたエレクトロニカ風の曲は、チープさ加減がうまい具合にブレンドされている印象もありますが、大半は無理矢理盛り上がってるようなイタさに溢れてる感じでした(ダフトパンクのパロディみたいな曲とか正直ちょっと辛い)。そのイタさも含めて、ということなのかもしれませんけど。全体のごちゃごちゃとした音作りはニューウェーブっぽくてかなり好きなので、かえって何とも微妙な空気が流れてる作品だなという印象であります。
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2007-06-04 Mon

[Music] RADWIMPS 『RADWIMPS 4 〜おかずのごはん〜』

★★☆

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RADWIMPS 『RADWIMPS 4 〜おかずのごはん〜』

昨年辺りからよく名前を見かけるようになったバンド、この、昨年末リリース作で初めて聴きました。ものすごく青くさい、ポストギターロック(勝手に造語)という印象です。ギターロックの骨格ではありますが、ギターは US インディのようなフレーズを奏で、ドラムはポストロックのように横に揺れ、ベースは時にファンクに炸裂しつつ低音部をどっしりと支える。特にベースは聴き応えがあっていいと思います。しかし、部分的には好みの要素満載でありながら、どうしても受け付けません。ヴォーカルがヒップホップ風に韻を踏んでささやくように歌うところに生理的嫌悪感をもよおしますし(逆にサビでメロディーが伸びるとホッとします)、良い曲と悪い曲がはっきりしすぎてる気もします。歌詞はもともとあまり聴かない人間なので気になりませんが、ちょっと若さ特有のイタいユーモアが入ってるような印象もありますね。音楽的には轟音が炸裂したり四つ打ちも聴かせたりで、バンドサウンドとしての表現力はかなりのモノを感じるのですが、どうも苦手な部分が大きいなという感じで合わなかった。個人的には残念な作品でした。M-2「ギミギミック」や、M-7「セツナレンサ」辺りはいい曲だとは思います。
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2007-06-05 Tue

[Music] 捏造と贋作 『The Lightest Touch』

★★★☆

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捏造と贋作 『The Lightest Touch』

先日聴いた、捏造と贋作による昨年リリースの 1st アルバム。順番が逆になりましたが、こちらは結構聴きやすく、耳馴染みがよくてすんなりと聴けました。ファンクの要素がさくっと入っていて、その辺が聴きやすさを生み出しているのかなとも思う。不思議な歌詞も妙にはまります。そして最初はそんな感じで入りつつ、中盤以降はフリージャズを思わせる世界に入り込んでしまうところもいい展開だと思う。あとはゲストも呼んでやりたい放題という感じで最後まで走り抜けて終了。終盤はテンションこそ下がるけどヴォーカルのアクの強さで乗り切っていると思います。そんな感じで良かったです。たぶん世代的な問題で、頂点に立つロックミュージックとして受け入れることはできないけど(どうしてもちょっと古い感覚がある)、前半の聴きやすさと中盤のアバンギャルドと終盤の遊び心で、最後まで退屈させない良作だと思いました。
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2007-06-06 Wed

[Music] Easy Star All-Stars "Radiodread"

★★★

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Easy Star All-Stars "Radiodread"

Easy Star Records に所属するダブミュージシャンが、Radiohead "OK Computer" を丸ごとレゲエアレンジにした作品です。2006年リリース。最初性質の悪い冗談かと思いましたが、意外と聴ける内容でした。正直に言うと、思い入れのあるアルバムだけに、ちょっと吐き気をもよおしかねない曲もありますが、いい曲もちらほら見受けられます。「Exit Music」とか「Electioneering」とか結構はまってる。陽気なアレンジなのにどこか陰鬱な空気が流れている、そのアンバランスさが面白いです。以前にも同じような企画で、ピンクフロイドの狂気をダブアレンジしているらしい。ダブレゲエって、そんな風に色々なモノに合ったりするんですかね。その辺突っ込んでみるとちょっと面白いかもしれないと思いました。
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2007-06-07 Thu

[Book] 佐藤亜紀 『雲雀』

佐藤亜紀『雲雀』読了。連作短篇集です。『天使』の姉妹編とのことで、第一次世界大戦後の能力者達のサイキックウォーズな話。彼女の文章はとても密度が濃くて、他の作家よりも読むのに時間がかかります。しっかり追わないと何が起きたか分からなくなってしまう。でもそれだけの価値がある面白さであります。ホントは歴史が分かっているともっと面白いのだろうなと思いつつ。天使はちょっと主人公に寄りすぎた感があったけど、今作はサイドストーリーも絡めながら上手くバランスが取れており、とても良かった。堪能しました。

[Music] Clearlake "Amber"

★★★★

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Clearlake "Amber"

イギリスはブライトンの4人組バンド、クリアレイクの 3rd アルバムを聴きました。2006年作品。内容ですが、ブルージーな要素を消化した正統派 UK ロックという感じで、とても良かったです。骨太なギターがうねって渦を巻きますが、同時に高い完成度を誇っていて、あまりギトギトしておらず、聴き心地よく仕上がっていると思う。ベースやドラムは派手さこそありませんが、下からしっかりと楽曲を支える堅実さがあります。ヴォーカルは繊細でメロディーは柔らかく、その辺と前述したギターとのバランス感覚の良さを感じ、すんなりと聴けると同時に音の重さと強度も合わせ持っていて、個人的にはそのさじ加減が非常に魅力的でありました。楽曲自体にもう少し多彩さが欲しいところではありますが(地味という話もわからないでもないです)、しっかりとした土台を作り上げている、いいバンドだと思います。もっとアホで無鉄砲なバンドも好きですが、これはこれで素敵です。
試聴(myspace)


2007-06-08 Fri

[Music] Winterpills "The Light Divides"

★★★

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Winterpills "The Light Divides"

マサチューセッツの5人組バンド、Winterpills の 2nd アルバム。初めて聴きました。内容ですが、アコースティックな音色を基調として、歌心をしっとり聴かせるポップミュージックであります。エリオット・スミスのような空気が感じ取れる瞬間もあったりして、とにかく耳に優しく、聴き心地の良い音楽という気がする。男性ヴォーカルと女性コーラスの絡みなど、とても素敵です。スロウコアという程スロウでもなく、悲しい雰囲気があるということはないですが、一方で、郷愁、という言葉がぴったりな感情を思い起こさせる曲が多いです。ただ、途中からだんだんと明るい雰囲気になってきて、少し覚めてしまうところが気になります。そんな感じで、最後まで聴かせる強度は不足している気もしますが、さらりと聴いて、良いモノを聴いたなと普通に思える作品であるとは思います。序盤の空気はとてもいいです。
試聴(myspace)


2007-06-09 Sat

[Music] COALTAR OF THE DEEPERS 「TORTOISE EP」

★★★☆

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COALTAR OF THE DEEPERS 「TORTOISE EP」

ディーパーズの4曲入り最新 EP です。このバンド、私は『NO THANK YOU』しか聴いてなくてその記憶もだいぶ薄れ気味ですが、抱いてた印象よりもずいぶんとゴリゴリと重く激しいヘヴィなサウンドなのでちょっと驚きました。こんなんだったっけ…。こういう風な激しさは、個人的には重すぎてあまり好きになれないのだけど、なぜかヴォーカルがどこか気の抜けた感情のこもってない歌声で、その辺の対比が面白いと思った。パーカッションが時に効果的に使われているのもいいです。M-2「913」の切れ味鋭いベース(でいいのかな…)が素晴らしくて、この曲が一番のお気に入り。他の曲はもう少し前のめりな勢いが欲しいところですが、音的には面白くて聴き応えも結構あると思います。この後出る予定のアルバムも聴いてみたいです。


2007-06-10 Sun

[Movie] 大日本人 @ TOHOシネマズ市川コルトンプラザ

『大日本人』を観ました。笑える箇所は一切ありませんでしたが(逆にもの悲しい箇所ばかりでした)、普通に面白かったです。監督のやりたいこと、言いたいことがたぶん、前のめりに出過ぎて、映画そのものの出来が破綻してしまったような気もしますが、その力みも含めて、個人的には好きだなと思いました。記号的な象徴がとても分かりやすい印象があって、そういう安直さが傾向的にもともと好きなのです。大ヒットしているのは正直よく分かりませんが、私は結構気に入りました。

[Music] Mossa "Some Eat It Raw"

★★★★

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Mossa "Some Eat It Raw"

モントリオールの Jeremy Petrus によるソロプロジェクト、Mossa の 1st アルバムを聴きました。2006年作品。とてもお気に入りです。内容は、ちょっと暗めの雰囲気をまといつつ、ミニマルに構築された音色が、実に渋く展開していくハウスミュージックという感じ。ブレイクの入れ方とか、ヴォーカルの取り込み方とか、高音の効果的な使い方とか、非常にしたたかで、上手いなと感じます。聴きやすくて良いと思う。あまりストイックに入れ込まず、かといって安易に上げていったりはしないという感じで、絶妙のバランスを保ったまま、ごく自然と、平熱を保ったまま興奮させる力を持った作品なんじゃないかと思った。柔らかいんだけど深くて重いキックの音色も素敵です。とても良かったです。低音のうねりが腰から下を動かしつつ、上モノの多彩さが上半身を揺らし、チキチキとした高音が脳を刺激する。
試聴(CISCO)


2007-06-11 Mon

[Music] Matthew Dear "Asa Breed"

★★☆

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Matthew Dear "Asa Breed"

テキサス出身のテクノミュージシャン、Matthew Dear の 3rd アルバムです。別名義で色々と活躍しているようですがそれも含めて初めて聴きました。内容ですが、ちょっとゆるめのテクノサウンドが続く中、ニューウェーブっぽく抑揚のないヴォーカルが入る、歌モノ的なダンスミュージックでありました。どうも今作で音楽性をだいぶ変えているらしいのですが、音楽自体にはグッと惹かれる要素は無く、さらっと聴いて終わってしまった感もあります。テクノポップみたいな空気を漂わせていたりもしますが、そこに成りきるわけでもないのだなという風に、どこに対しても一歩引いてしまう、あっさりとした印象。色んな種類の電子音を使いつつ、全体を柔らかなアレンジで包み込んで、まったりとした聴き心地の良い音世界を作っており、雰囲気はいいと思いますが、ほぼ聴き流し専用のアイテムという感じなので、個人的にはもう少し引っかかる部分が欲しいかなとも、思いました。myspace で聴ける過去作はなどは部分的にはえらくかっこいいのですが…。
試聴(myspace)


2007-06-12 Tue

[Book] マイクル・ムアコック 『白き狼の息子 永遠の戦士エルリック7』

マイクル・ムアコック『白き狼の息子 永遠の戦士エルリック7』読了。エルリックサーガの(一応の)最終巻です。エルリックのひ孫にあたる、ウーナッハが主人公。でも多元宇宙は時間も超越するので、ばあさんとかひいじいさんが同じくらいの年齢だったりします。もうなんでもありなのか。ともかく今作は、この世界のことをよく知らないウーナッハ視点だったので、読む方としても分かりやすく楽しめました。相変わらず敵も味方もあまりの間抜けっぷりに笑ったりしつつ、面白かったです。次はエレコーゼだ。

[Music] OKI 『DUB AINU』

★★★☆

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OKI 『DUB AINU』

アイヌと日本人のハーフ、OKI が、2004年に他界した安東ウメ子(アイヌ文化伝承者)の過去リリース音源をリミックスしたアルバムだそうです。アイヌ音楽って初めて聴きましたが、独特な印象はあまり見出せなかったけど、民俗音楽テイストで聴き心地がよくまったりと楽しめました。たぶん OKI さんのダブレゲエな味付けが、かなりはまっているのだろうなと思います。ベースを強く響かせたり、電子音を効果的に鳴らしたりと、元曲の持つ空気を壊さないように、かつその心地よさを増幅させるように、うまくアレンジされているのだなと思った。まったりしているけど、唄や楽器の力強さはかなり感じますし、いいアルバムです。バンドの音源や、Kila との共演作も聴いてみたいと思います。


2007-06-13 Wed

[Music] ART-SCHOOL 『Flora』

★★

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ART-SCHOOL 『Flora』

ART-SCHOOL が今年始めにリリースしたアルバムを聴きました。最近の作品は聴いていなかったのですが(『Requiem For Innocence』『LOVE/HATE』のみ)、かなりあっけらかんと素直な音になっていて、なんだか拍子抜けしてしまった。以前はもっと鬱屈していて、音のひとつひとつが切実に届いてきた覚えがあったのですが、今作では全体をとても清々しい雰囲気が流れています。ただその裏側には何もなく、ただひたすら空虚に響く清々しさといった感じ。かつて、グランジを通過した世代を直撃する音で、どこまで痛々しい空気に共感できるかっていう物差しで聴いていた身としては、この変化は正直言って受け付けませんでした(単に私が間の作品を抜いてしまっただけかもしれませんけど)。音楽自体の出来に目を向けても、それほど惹かれるモノがなく、ヴォーカルは声量も音程も不安定なのに何故か前面に出てきており、聴き苦しい箇所も多いです。ギターとかもっと激しさを主張してもいいと思いますけど。そんな感じで、思いっきり肩入れしようと気張って聴いてみたら、向こうから突き放されてしまったような、残念な気持ちばかりが残る作品でした。


2007-06-14 Thu

[Music] COALTAR OF THE DEEPERS 『NO THANK YOU』

★★★☆

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COALTAR OF THE DEEPERS 『NO THANK YOU』

コールター・オブ・ザ・ディーパーズ、2001年リリース作品を久しぶりに聴き直しました。当時、ナンバガの向井が激賞していて聴いてみたら奇妙な世界に首をひねっていた覚えがあります。聴き直した印象もやっぱり変な音楽だなと思いました。下地をギターロックに置きながら、テクノ的な四つ打ちダンスビートが飛び出したり、メタルのようにゴリゴリと重く激しい音が鳴り響いたり、シューゲイザーの音作りでもってノイズが拡散したり、その様相は目まぐるしく変わります。ヴォーカルも NARASAKI が取った曲は、その中性的でズレまくった特異な声音でもって、全然まともな曲に聴こえません。いきなり絶叫するし。ギターロックとしては比較的オーソドックスなメロディーや曲調を感じるだけに、逆にその差異が思いっきり際立って、なんとも歪んだ仕上がりでした。正直何をどのように聴いたらいいのか混乱もしますが、それも含めて面白い作品だなと思います。全16曲55分の混沌とした音世界也。


2007-06-15 Fri

[Music] Biffy Clyro "Puzzle"

★★★

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Biffy Clyro "Puzzle"

グラスゴーの3人組バンド、ビッフィ・クライロの 4th アルバムです。初めて聴きました。グラスゴーへの印象にあまり合わない(ただの偏見です)、正統派のハードロックという感じです。メロディーがエモーショナルに伸びていくので聴きやすい。こうしたハードロック的な曲調には個人的にいつも拒否反応が出るのですが、この作品はあまりそういったこともなく、そこそこ聴けました。曲ごとに色々と見せ方を変えている構成の妙と、時折飛び出す奇妙なアレンジで、あまり退屈することが無かったのかなと思った。ベタついたメロディーを押しつけがましく聴かせる前半より、リズムが面白く弾んだり急に轟音ポストロックみたいなアプローチを見せたり大合唱が始まったりで、まさにジャケットのように頭を抱えつつ迷走する後半の方が好みです。ただ、どちらも中途半端な感は否めず、前半の力強さと後半の遊び心を合わせ持った作品であればもっと良かったかなと、思いました。最終的に一番インパクトがあったのが1曲目だったというのも何か寂しいです。
試聴(myspace)


2007-06-16 Sat

[Music] Andrew Bird "Armchair Apocrypha"

★★★★☆

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Andrew Bird "Armchair Apocrypha"

シカゴのシンガーソングライター、アンドリュー・バードの7作目。初めて聴きましたがこれは素晴らしいです。シンプルなバンドサウンドを下地とした、ブルースでフォークなポップミュージック。思いっきり色んな要素が入り込んでいるのだけど、それを非常に上手くポップに昇華してて、いやらしさもなく押しつけがましくもない、ごく自然に、そして深く心に刺さってくる内容でした。聴きやすくもあり、同時に繰り返し聴き応えもあるというような感じ。彼の歌声がまず素晴らしくて、若さと渋さが同居したような、情感的でかつ、じわじわと染み入るような美しさがあります。時に激しく前に出つつフレーズを弾き倒すギター、ゆったりとした安定感で底を支えるドラム、壮大に流れるストリングス、ジャンルを横断した予測不可能なパーカッション、あっさり味で柔らかいクラシックな音作り、それらを素朴でのどかなアレンジで、すんなりと耳に入ってくる音楽に、とても上手く仕上げているなと思った。前半の取っ掛かりをエモーショナルに、非常に入りやすいものにしつつ、後半に行くにつれ、どんどん淡い音色になっていき、さらに唄心をじっくり聴かせに入る構成も素敵です。そんな感じで、完成度も高くて間口も広い上、入り込んだ先にも穏やかで広大な世界が広がっている、素晴らしい音楽だなと思いました。
試聴(myspace)


2007-06-17 Sun

[Music] Akercocke "Words That Go Unspoken, Deeds That Go Undone"

★★★

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Akercocke "Words That Go Unspoken, Deeds That Go Undone"

ロンドンのアバンギャルド・ブラックメタル・バンドですって。4作目。このバンド、最新作のタイトルが "Antichrist" で、そのアナーキーインザ UK っぷりに興味を持って聴いてみたものの、開始1分で玉砕。前作がちょっと聴きやすそうだったのでとりあえずそちらから入ってみました。内容ですが、とりあえず普通に聴けて、最後まで辛い気分にもならなかった。ヴォーカルはデス声でうごうごと言いつつ、急にオペラのような声の張り方をしたり、そのまま気狂いのように笑い続けたり、自由自在で面白いです。曲調もころころと変わり、音がすっと抜けてプログレ的な広がりを見せる曲なんかも出てきたりで、色々と手を変え品を変え見せているなと思う。ギターも個人的に聴きやすい音であったりします。もちろん全体としては非常に気持ち悪くドス黒い迫力を持っているのだけど、同時になぜか聴きやすい面も持っているという、不思議な作品だなと思いました。逆に手数は出すけど、どうも深い興奮は覚えないなという感じで、聴き応えはあまりないのかなという気もしますけど…。よく分かりませんがこのバンド自体は結構聴けるなと思ったので、先ほど挫折した次作に続きます。あと余談ですがブラックメタルとデスメタルの違いがよく分かりません。


2007-06-18 Mon

[Music] Akercocke "Antichrist"

★★★★

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Akercocke "Antichrist"

昨日に続きまして、ロンドンのブラックメタル4人組バンドによる5作目。1曲目の前フリと2曲目の暗黒魔術世界をちょっとやり過ごすと、その先にすごくいいモノが詰まってました。もちろん強烈なギターリフやバタバタしたドラム連打は、ああ今私はメタルを聴いているのだな、という気分にもなりますが、そうした要素を持ちつつ、至る所に飛び火して汚染物質をまき散らしていくような感じ。急にギターが泣きのフレーズを弾いたり(直後に絞り出すような絶叫)、インド風サイケデリックな音作りをしてみたり(直後に超重量ギターが蹂躙)、トライバルビートとストリングスで間奏曲を入れたり(直後に鋭いドラムが炸裂)、アコースティックな音色の効果的な使い方も印象に残ります。他も色々あって何がなんだか。迫力があってすごいことはすごく、圧倒されそうになるのだけど、同時にちょっと愉快な展開が満載で面白かったです。ひきつったまま笑い、笑いながら狂う。10曲で40分。アルバム通して最後まで聴き応えのある、非常に密度の濃い内容だと思いました。音自体は凶悪ですが意外と抜けが良い箇所が結構あると思うので、耐性のない私のような人間でも結構聴ける作品かなと思います。
試聴(myspace)


2007-06-19 Tue

[Music] The National "Boxer"

★★★★☆

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The National "Boxer"

ブルックリンの5人組バンド、4作目にして初めて聴いたのですがこれは素晴らしかったです。限りなく満点に近い9点で、現時点で今年のベスト。基本的には3、4分のオーソドックスなポップスが詰まっている単純な構成なのだけど、至る所で、あらゆる音に心動かされます。内容はほぼ全曲、しっとりと落ち着いた曲調で、ストリングスやピアノで地味に飾り付けられた楽曲を、低く暗く渋い歌声でボソボソと歌います。この歌声がまず良くて、ニューウェーブ風の陰りを見せつつも太めの声質でもって筋が通っており、メロディーが弱めの曲もしっかりと耳に届いて魅力的です。さらに、聴くと最初、違和感を覚えかねない奇妙なフレーズを弾くギターが、ある瞬間から楽曲にスッと溶け込んでいく様がたまりません。時折ノイズを効かせたりもしており、しっかり音を立てて主張していると思う。音が立っていると言えばドラムもそうで、非常に力強い音を出しております。どっしりと底を支えてて、暗めの曲調にすごく合う。一緒に沈み込んでいくけど、その雰囲気に溺れることのない力強さが、聴き応えのあるモノにしていると思う。決して美麗ではありませんが、土臭い香りを放ちながら感動的な音を奏でるピアノもいい味を出してます。要するに全部良いのです。誰かが言っていましたが、個人的には確かに R.E.M. を彷彿とさせます。ギターの感じとか特に。R.E.M. からドラムが脱退しなければ、こんな音を今ごろ鳴らしていたかもしれないなんて妄想を抱いたりもしました。全体の雰囲気も非常に良いし、個々の楽曲をしっかりと作り込んでもいる、素晴らしい作品だと思います。
試聴(myspace)


2007-06-20 Wed

[Book] 米澤穂信 『さよなら妖精』

米澤穂信『さよなら妖精』読了。日々を何の意味もなく過ごす高校生が、ユーゴスラヴィアから来たというマーヤさんと出会ってどうたらこうたらという話。序盤は伏線であるにしたとしても、ややぬるいやり取りが続いてちょっとあれですが(ミステリ仕立にしなくて良かったんじゃないかという気もする)、最後は重く心に残る内容で良かったです。安易に上げたりせず、突き放した目線でもって主人公が描かれているところがいいのかなと思いました。

[Music] Black Moth Super Rainbow "Dandelion Gum"

★★★

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Black Moth Super Rainbow "Dandelion Gum"

ペンシルバニアの5人組バンドによる 3rd アルバム。ひどいジャケットですこと。初めて聴きました。ジャケットそのままに、サイケデリックな風景が現出した音楽です。原形を止めないほどエフェクトのかかったヴォーカルがワウワウとうねり、カラフルな電子音がグルグルと渦を巻きつつ、トロンとした陶酔感を誘う。音の配置はかなり上手くされていると思いますが、時折バンドであることを象徴するかのように出っ張った音が鳴らされることがあって、そこが逆に面白いかなとも思った。ただ、エレクトロニカがオーガニックに走りました、といったような音作りはどうにも安易な気がして、既聴感を伴ったイライラが時に訪れたりします。各所で言われているように、ボーズオブカナダのキャンプファイアーヘッドフォンとかを彷彿とさせますが、それは悪い意味で「似てるなぁ」という思いを抱く感じですし(特に後半)。46分で17曲も詰め込まれていますが、メリハリがあるわけではなく、ただゴチャゴチャと並んでいるだけな印象を受けるところもちょっとと思いました。まあそんなことを考えていても、何か良いとか悪いとかどうでもよくなってくるような音楽でもあります。虹色カラフル、てろてろと溶けていくのであります。
試聴(myspace)


2007-06-21 Thu

[Music] Frog Eyes "Tears of the Valedictorian"

★★★★

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Frog Eyes "Tears of the Valedictorian"

カナダの4人組バンドによる5作目。初めて聴きました。内容ですが、昨今よく取り沙汰されるフリーフォーク系のそれです。といってもこのバンド自体はキャリアが結構あるので、ブームの方が追いついたということなのかもしれませんけど。まずは、引きつった裏声で、終始わめきたてるハイテンションヴォーカルが強く印象に残ります。そして、それに引っ張られるかのように、個々のパートも随所でイカレてる。キーボードなんか間違ったまま狂った打楽器のように叩かれるし。そのつんのめり気味な姿勢は好感です。かといってその無茶苦茶さ加減は結構うまくまとめられてて、楽曲ごとの多彩さも意外とあり、通して聴かせる完成度も持っていると思う。最後まで同じ勢いで突っ走るのに、終盤に入ってもグダグダにならないので、聴くほどに印象が上がっていく。そんな感じで、とても良かったと思います。
試聴(myspace)


2007-06-22 Fri

[Music] Justice "† (Cross)"

★★★☆

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Justice "† (Cross)"

フランスのエレクトロ・デュオ、と言えばダフト・パンクですが、彼らのマネージャーが見出した二人組らしいです。デビュー作から話題沸騰ですね。聴きました。これは確かに、勢いがあってすごい、かもしれない。80年代以降のテクノ、ハウス、ユーロビート、さらに行ってアシッドハウス、ブリープ、フィルター、クリックに至るまで、色んな要素をぼこぼこと鍋に放り込み、どギツイ味付けを施しつつ煮詰めたダンスミュージックという感じがします。もちろんインテリ臭さはなく、でき上がったモノが非常に俗っぽくて仰々しく、ポップでいかがわしくて聴きやすいところがいいと思う。ゆるめのビートをバスバスと決めつつ、ズンドコ踊る感じでとても分かりやすいです。ただその分かり易さや勢いは逆に、切れ味を弱めてる部分もあって、とにかく大雑把な印象があります。もう少し鋭角的に入り込んでいく攻撃性が欲しいかなとも思う。とはいいつつ、いずれにしてもフロア仕様という枠をはみ出して、ロック的なノリを持つまさにフェスティバルな仕様であることは間違いなく、ライヴがこの勢いをさらに増幅してぶつけてくるのであれば、凄まじいモノになってしまいそうな気もします。見てみたいです。
試聴(myspace)


2007-06-23 Sat

[Movie] 第2回ガンダーラ映画祭 @ UPLINK FACTORY

第2回ガンダーラ映画祭「美しい国へ」に行きました。観たのは、特別招待作品のCプロと、第1回傑作選のDプロ。以下感想を箇条書きにて。
Cプロ
『会田誠のおたのしみ箱』(会田誠)
遠藤一郎青年 vs 森ビル。面白かったです。カメラがビルを見上げるところがとても良かった。
『ワラッテイイトモ、』(K.K.)
以前から評判を耳にすることが多くて楽しみにしていたのですが、自分にはほとんど良さが分からなかったです。彼のとる行動や、映像加工について、共感を覚えることができなくて、雰囲気が伝わってこなかったのかなと思いました。世代的なモノだと思いますが、ちょっと残念でした。
Dプロ
『童貞。をプロデュース』(松江哲明)
タイトル通りの話。笑えて面白かったです。でもこの童貞君は下北にいそうな普通の今風イケメンだったので「君は大丈夫だよ」と思えてしまったことが逆に切なかった。
『子宮で映画を撮る女』(山下敦弘)
リンダリンダリンダの監督さんですね。個人映画で評価を得て、大掛かりな映画を録ることになった監督さんがトラブル起こしてどうたらこうたらいうドキュメンタリー風フィクション。見ごたえがあって普通に面白かったです。ブラックユーモアもさりげなく入っているのです。
『私の志集 三〇〇円』(しまだゆきやす)
新宿にタイトルと同じ看板をぶら下げて立ち続ける女性の話。グールドのバッハを新宿の風景に乗せたかっただけなのかな、という作品であまり良さが分からなかったです。

[Music] Kula Shaker 「Freedom Lovin' People EP」

★★☆

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Kula Shaker 「Freedom Lovin' People EP」

クーラ・シェイカー再結成後、フルアルバム前にリリースされた EP です。日本独自企画盤で、8888枚限定だって。ちなみに私のシリアルナンバーは4748。聴きました。去年出た「Revenge of the King」が iTunes 先行配信があったにも関わらず、CD で10,000枚を売上げたというのもびっくりです。みんなクーラが好きなんですね。でも再結成後の彼らの音源には正直、心躍るモノがあまりありません。去年のフジのライヴは良かったですけど。クーラがかつて持っていた独特のサイケデリックな質感と、ジーヴァスで前面に出してきた分かりやすくてベタなロックミュージック、それらを経由して生み出された音楽は、単純に個性が弱まり、かつ盛り上がりにも欠ける、なんとも微妙な作品へと成り下がってしまった気がします。これはインド色が減退したというだけの問題ではなくて、メロディーの強度とか、色んな部分が弱体化してしまったような印象なのです。それだけに、この EP はアルバムへの期待をいささか下げる、悲しい内容でした。かつてかなりの思い入れを持って聴いていただけに、昔の思い出に浸るだけのバンドになって欲しくない、そのことは強く思います。切実です。


2007-06-24 Sun

[Music] Arcade Fire "Neon Bible"

★★★

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Arcade Fire "Neon Bible"

カナダの大所帯バンド、アーケイド・ファイアが今年初めにリリースした 2nd を遅ればせながら聴きました。前作はニューウェーブテイストを振りまきつつ、ヤケクソ気味のインディロックかつダンスミュージックといった趣で大変お気に入りでしたが、今作は全体の完成度を高め、締めるべき所は締め、暴れるべきところは暴れつつ、プログレ的な構築美を表現し、教会音楽のような雰囲気を醸し出してもいる、非常にしっかりとした作品になりました。そしてだからこそ、面白味が薄れ、得体の知れない妖しい魅力が弱まってしまったな、という作品にもなりました。全体を彩る空気を上手く操り、アルバムを通してじっくり聴かせる内容になっていますが、逆に言えば、曲単位で引っかかる部分がほとんど無いとも言えるわけで、どうもすっきりしないです。上がるところは、もっとメチャクチャに上がらないと、はっきり言って物足りないし、正直勿体ないと思う。M-10「No Cars Go」だけは強烈で非常に良かったけど、他は不完全燃焼気味であります。
試聴(myspace)


2007-06-25 Mon

[Music] BEAT CRUSADERS 『EPopMAKING 〜Popとの遭遇〜』

★★★

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BEAT CRUSADERS 『EPopMAKING 〜Popとの遭遇〜』

ビート・クルセイダーズの新譜です。聴いたのはボーナストラック無しの通常盤。内容ですが、相変わらず疾走感のある軽やかなパワーポップで、良いことは良いです。キーボードの使い方がやっぱり上手くて、もはや円熟の域に達していると言えそうなくらい、聴き心地がいい。特に中盤以降、メロディーが伸びやかになる楽曲が意外と多くて、ちょっとした切なさも混じりつつ、結構聴かせます。しかしながら、どうも全体的に煮え切らないですね。いつも通りではあるんだろうけど、突き抜けた楽曲が無いし、前作にちりばめられてた、ちょっとしたユーモアもほとんどなく、やっつけ仕事のようにただ佳曲が並んでるだけといった印象で、どうも物足りなかったです。同じところをグルグルと廻るうち、ゆるやかに下降線を辿ってしまっているような気もします。悪くはないのですが、なんと言ってもビークルですし、さらにもう一段階、はっちゃけて欲しいなと思うのであります。


2007-06-26 Tue

[Music] NAHT 『In The Beta City』

★★☆

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NAHT 『In The Beta City』

かなり昔にうっすらと音源を聴いた覚えが…、という3人組バンド、6年ぶりのアルバムだそうで。聴きましたがしかし、これは何とも微妙な作品です。もっとエモコア風のバンドじゃなかったっけ…。四つ打ちが多く、ニューウェーブリヴァイヴァルを彷彿とさせるサウンドは、新鮮さが微塵も感じられず、聴き終わるまでもなく飽きてしまいます。メロディーが微妙にズレながら伸びていったり、ギターが奇妙なフレーズを弾いたり、部分的には独特の印象があって面白いのに、それらをダンスビートで押さえつけてしまうものだから、どこか窮屈そうで、奥に引っ込んでしまって目立たず、何か気持ち悪くてイライラする。ベースは曲調にかなりがっちりはまっている気もしますが、どうも他との食い合わせが悪く、何だか聴きどころの見出せない四つ打ちギターロックだね、という感想で終わってしまいました。シンセを妖しく鳴らしたり、パーカッションを自由に叩いたり、色々面白い要素は感じるのですが、それがアルバム全体の半端な空気で覆い尽くされてしまっており、正直物足りない作品です。どこかでボタンを掛け違ってしまったような印象であります。
試聴(DIW)


2007-06-27 Wed

[Book] ナンシー・A・コリンズ 『ミッドナイト・ブルー』

ナンシー・A・コリンズ『ミッドナイト・ブルー』読了。吸血鬼ソーニャ・ブルーさんがかつての自分の両親をたぶらかした宗教家と対決する話。ものすごく暴力的な描写が多いです。かなりグロテスクな表現で、退廃的で淫靡な雰囲気が出ていて良かった。話の展開もしっかりしてて面白かったです。

[Music] Kula Shaker "Strangefolk"

★☆

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Kula Shaker "Strangefolk"

クーラ・シェイカー、復活の 3rd アルバムです。最近感じたのですが、彼らの再結成で注目すべき点は、キーボードのジェイ・ダーリントンが不参加で、新メンバーを迎えていることであると思うのです。実際いま、前作 "Peasants, Pigs & Astronauts" を聴くと、彼の大きさを感じずにはいられない。インドテイストで、ややもするとダラけがちな楽曲を、要所要所でしっかりと締めるキーボードはやはり素晴らしい。そして、彼が不在であることが、この復活作にはっきりと暗い影を落としていると思います。ひとことで言ってしまえばこのアルバムは非常につらい。前半はそこそこ聴かせる内容と思いますが、中盤以降の息切れっぷりは壊滅的で、聴いているこちらが惨めな気分になってきます。音楽性がインドからアメリカかぶれのブルースになっても、相変わらずグダグダな曲調ですが、今作はそれを演奏面でほとんどカバーできておらず、ひたすら弛緩していると思う。口角泡飛ばして叫ぶヴォーカルや、ジャキジャキとしたギター、そして、硬軟取り混ぜ自由自在に鳴らされるキーボードが、このアルバムには、無い。円熟という域でもなく、普通に弱体化してしまったような印象であるが故に、全体を通して聴かせる強度を持ち得ず、ただ完成度の低い楽曲を垂れ流すだけで終わってしまった、そう思えてくるアルバムでした。再始動後、アルバムの発売は当初の予定からずいぶんと先延ばしにされてきた感がありましたが(完成までに色々と不幸があったにせよ)、「こんなんでリリースしていいのかな」と思いつつ、後には引けずに「とうとう出しちゃった、でも怖いからまだ人気のある日本から超先行発売ね!」という色んな人の思惑が幻視されたりもします。勘弁してください。「Hush」聴いて寝ます。
試聴(BARKS)


2007-06-28 Thu

[Music] Despised Icon "The Ills Of Modern Man"

★★★☆

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Despised Icon "The Ills Of Modern Man"

カナダのデスメタル/メタルコアバンド、今年リリースの 3rd アルバムです。初めて聴きました。ツインヴォーカルでデス声をこれでもかと叩きつけ、ツインギターで攻撃的なフレーズをこれでもかと叩きつけます。ドラムは叩いてるのか打ち込んでるのか分かりませんが、機関銃の掃射のように敷き詰められていて、想定のさらに上をいく感じで、ちょっと笑ってしまうくらいドツドツいってる。部分的にも面白い箇所がいっぱいありますが、全体としても、メタルであると同時にハードコアな要素が多く感じられて、結構聴けます。重さはあって分厚い音だけど、鈍重ではなく、硬質で鋭い重さを持っている感じが、聴き応えを増しているのだと思う。テンションが下がらず最後まで突っ走りますし、途中で辛くなることもなく聴き通せる良作だと思いました。
試聴(myspace)


2007-06-29 Fri

[Music] Boy In Static "Violet"

★★★

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Boy In Static "Violet"

宅録エレクトロシューゲイザー仕様の前作が結構お気に入りだった、ボストン在住、Alexander Chen 青年のソロプロジェクトによる 2nd アルバムです。内に向かっていく方向性は変わりませんが、ストリングスやキーボードの使い方にスケール感が出ていて、そこは着実に良くなっていると思った(バンド形式になったんでしょうか)。儚げでナルシスティックなヴォーカルは人を選びそうですが、それ以外の音の配置や構成は上手くて、良質なエレクトロシューゲイザーだなと、思います。一方でどうもその、マイブラっぽい空気からは、何とも言えない模倣っぽさが漂っており、もっと多彩に突き抜けてもいいんじゃないかという気もする。ギターが雰囲気に溺れてしまっているようで、あまりこちら側に響いてこないです。美しい音世界ではありますが、抽象的な意味で、もう少し外に出てみてはどうだろうか、そんな思いも抱かせる作品でありました。
試聴(myspace)


2007-06-30 Sat

[Music] Blitzen Trapper "Wild Mountain Nation"

★★★☆

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Blitzen Trapper "Wild Mountain Nation"

オレゴンの6人組インディロックバンド、3rd アルバム。初めて聴きました。これは面白いですね。初っ端から調子外れの(というかリズムまでズレた)ギターがバタバタと弾かれ、思わずズッコケます。でもその音楽には奇妙な魅力があって、インディ然とした佇まいで、飄々としつつもアッチの方向にテンションが高い感じで、聴いているこちらが楽しくなってくる音楽でありました。13曲入ってるのに33分しかなくて、落ち着きがなく忙しないんだけど、混乱を招いたりすることはなくて、すんなり受け入れられるところも面白いです。どこかカントリーっぽくもあり、のどかな気分で聴ける辺りが原因かもしれません。ウィルコとかとはまた違った意味でオルタナティブなカントリー。調子外れこそが芸風として身に付いているような感じ。あんまり目まぐるしくて、特別すごくいいという部分は見出せなかったけど、ゴチャゴチャしてて面白くて良かったです。ライヴはさらに楽しそう。
試聴(myspace)


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