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5月31日(土)
[Music]

preschool_live
pre-school @ LIQUID ROOM

プリ・スクールのライヴは粗い。いやむしろ荒いというべきか。今回のライヴは、新譜がほぼソロ・ワークで作られ、異常な完成度の高さを誇っていただけに、余計にそれを感じました。究極に享楽性を突き詰め、どんどん音を注ぎ込んでいった結果、楽曲群は荒く崩れ、そしてそれが凶暴性をともなって、聴く側に襲い掛かってくるようでした。楽しむという行為が、一種のフラストレーションを生み出しているということなのでしょうか。中盤落ち着いた辺りで、なぜか私事でのフラストレーションが誘発され、イライラしたりもしました(もちろんライヴが悪いという意味ではなくて、あくまでプライベートなことです)。終わった後、何ともいえない、複雑な気分になりました。
でまあそれは置いておいて……、ライヴの中身を。序盤は、「ROCK AND ROLL HIGH SCHOOL」や「FAT MAN THIN MAN」など、ギターを前面に押し出した、ロック・バンド的なサウンドという感じで押しまくり。その展開は、「ウロトアゼ」で最高潮に。そしてここからが圧巻でした。「義務は果たした」と言わんばかりに、「ring ring」や「his first heaven」などゆったりとしたテンポの曲を並べ、いきなりクールダウン。そしてダンス・ビート、エレクトロニカを取り入れた、クラブ仕様とでも言うべき、現在のモードにシフト・チェンジしました。やはり後半に最新アルバムからのセレクトが多く、私的にはこちらのモードの方が楽しめました。踊りまくり。余談ですが、ライヴでやる「HEAVEN'S DOOR」はプリの楽曲の中でも一番好きです。CD だと微妙ですが、ライヴだと、とてつもない名曲だと思います。
正直言って、完成度という面では、優れたライヴではなかったと思います。でも、例えばスーパーカーが『Futurama』発表後に見せた、過渡期を意識させるライヴ、という感じではなくて、プリのそれは、その荒さこそがプリ・スクールの本質であるかのように、ひたすら自然な感じがします。そして私はその荒々しさに、かえって惹かれるのです。プリ・スクール、とても好きです。

5月30日(金)
[Music]

nyantora_cosmos
NYANTORA 『COSMOS』

スーパーカーの中村弘二氏(a.k.a. ナカコー)のソロ・プロジェクト、ニャントラによる2ndアルバムです。例えば「YUMEGIWA LAST BOY」などで見せた、多少無理矢理に持っていく強引なブレイクなどは、このアルバムには皆無です。以降の、『HIGHVISION』におけるアルバム曲のような、静かできらきらした音色を、ただひたすら気持ちよく聴こえるように構成しただけ、という方向性を、さらにソロ・ワークとして推し進めた感があります。非常に私的感覚にあふれたアルバム。何も考えず、何も主張せず、良い音を鳴らすだけ、というスタンスが彼にとってはナチュラルなんでしょうか。この無垢さは不気味ですらあります。

5月29日(木)
[Book]
一橋文哉『闇に消えた怪人 グリコ・森永事件の真相』読了。最初いきなり対決から始まったりと、面白いノンフィクションの持つ、緊張感にあふれている感じが良いです。中盤はやや冗長な感がありますが、ラストに繰り広げられる仮説の怒涛の展開は圧巻。良いノンフィクションが、良質なエンターテインメントであることの証明。

[Music]

nirgilis_tennis
NIRGILIS 『テニス』

SNOOZER の「デフレ時代の日本の格安ロックはもうたくさんだ!」特集で、高い評価を受けていた新人バンドです。シングル「オドレミ」だけ聴いたところでは、スーパーカーのようなダンス・ビートにきれいな女性ヴォーカルが乗っかるという感じだったのですが、アルバムを通して聴くと、ヴォーカルがものすごくエモーショナルでびっくりしました。UA みたいな感じ。楽曲も、前述のダンス・エレクトロみたいな曲や、JAZZ セッションかはたまたポスト・ロックかという具合に不思議な展開をみせる曲、ストレートにセンチメンタルなギター・ロックなどかなり多彩で、かなり良かったです。いろんな要素がとっ散らかっていて、どこに転がるか分からない面白さ。おそらくこの先、どんどん化けていくだろうという気がします。期待。

5月28日(水)
[Music]

spitz_mikadukirock
スピッツ 『三日月ロック』

例えば、「さわって 変わって」は、サビに入る前の「ギュイーン」というギターとかに、妙な恥ずかしさというかあざとさを感じてしまいます。例えば、「水色の街」では、美しくすばらしいメロディーとケンカするかのように入り込んでくる、やけに響いたドラムが少々気になってしまいます。例えば、いきなり四つ打ちが聴こえてきてびっくりするやら大興奮するやらする、「ババロア」でも、もはや芸風のように決まった形で入り込んでくるスネアが非常に耳障りです。という感じで、すごくいいアルバムなんですが、いたるところで気になって気になってしょうがありませんでした。『ハヤブサ』を越える、音楽的な広がりを、良く言えばうまく仕上げており、悪く言えば小さくまとめてしまっています。亀田誠治めー。

5月27日(火)
[Music]

asachangjunray_junraysongchang
ASA-CHANG & 巡礼 "JUN RAY SONG CHANG"

以前、『けものがれ、俺らの猿と』という町田康原作の映画を見て、まあ内容がそれほどでもなかったのでげんなりしていたのですが、そんな状況でエンディングに流れてきたのが、ASA-CHANG & 巡礼の「花」でした。で、この曲がとても良くて、思わず感動してしまった覚えがあります。このアルバムは、ロンドンのLeafレーベルより2002年に発売されたアルバムで、2001年リリースの『花』と1997年リリース(ASA-CHANG名義)の『タブラマグマボンゴ』の2枚を1枚に編集したものです。ちなみにこれは、英WIRE誌の“2002年の10枚”第4位に選ばれています(→関連ニュース)。彼らの音楽について説明するのは本当に難しいです。『花』の方は、タブラやボンゴなど、乾いてよく通る高い音の出る打楽器と、それに合わせてサンプリングしたヴォーカルが乗っかることで、絶妙に気持ちよい音を作り出している、という感じでしょうか。でもそれだけに止まらなくて、かなり激しい曲もありますし、とらえどころがないです。タブラマグマ〜の方は人力ミニマルテクノかはたまたドラムンベースか、といった趣でこちらもすごい。

5月26日(月)
[New]
スヌーザーキョウ #037

[Book]
ヒキタクニオ『凶気の桜』読了。あまりにも辛かった映画に比べると、同じストーリーであるにも関わらず、読後感は思いのほか悪くありませんでした。映画の方は、どうにも出口の無い若者の憤りに、過剰にシンクロしすぎてしまったのではないでしょうか。ヤクザのおっさん達の悲哀が、若者を描く道具になってしまっているというか。原作はもっとバランスが良くて、エンターテインメントとして成立しているように思いました。余談ですが、原作にものすごく忠実にキャスティングしているにも関わらず、どうして消し屋だけが江口洋介だったんでしょう……。余りにも似合わない……。

[Music]

asahimiho_onion
朝日美穂 『ONION』

豊島さん(Diary (Web)site-seeing)が日記で取り上げられていて気になっていたのですが、先日安く買えたので聴いてみました。朝日美穂は、『Apeiron』他シングルを何枚か聴いたくらいです。これは1998年の 1st。特に印象に残ったのはベースが素晴らしいということで、すごい味があると思いました。シングル曲の「momotie」や「勉強」はそれがすごくかっこよくて、ごった煮感もいっぱいで楽しいです。アルバム曲はしっとりした曲調が多いですが、おもちゃ箱のようにいろんな音が散りばめられていて、まったく飽きさせません。全体的にはキュートな岡村靖幸という印象でした(トリビュートにも参加していますね)。極上のポップ・ミュージック。

5月25日(日)
[Music]

momus_monstersoflovesingles198590
MOMUS "MONSTERS OF LOVE - SINGLES 1985-90"

モー娘。かと思ったらモーマスでした。でお馴染み(ブブカ限定ネタ)のモーマスですが、これは名前の通りシングル集かと思われます。彼は去年行った、「ニューウェイヴ愚連隊 西へ」というロマンポルシェ。主催のイベントでのライヴが初見でした。その時は、Mac 1台をぽつんと置き、いろいろ面白い身振りでストーリーを表現しながら静かに歌っており、恵比寿みるくの雰囲気と相まって、80年代にタイム・スリップしたかのような感覚に襲われ、かえって新鮮だったのをよく覚えています。このアルバムは、語りっぽいヴォーカルと、アコースティックなサウンドによって、静かで気だるげな雰囲気がよく出ていて、なかなか良い感じに聴き流せました。輸入盤なので歌詞が無いのですが、他のアルバムではかなり官能的で詩的な世界を歌っていて、それを読むとまた深く雰囲気に入り込めて心地良いので、歌詞を知りたいところであります。

5月24日(土)
[Music]

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椎名林檎 『加爾基 精液 栗ノ花』

楽曲がシンメトリー(1曲目と10曲目の構成が一緒、とか)になっているということに、今更ながら気づきました。2nd の時は全く気づかなかったです……。で、中身ですが、すごい、としか言いようがないです。「椎名林檎の世界」というものを濃密に描く、という一点において、まさに究極の域に達していると思います。上記の曲名もそうですが、全体的に異常なまでの構成美を感じました。すごいやら怖いやら。完全に聴き手を試す音楽のような気がします。とてつもなくナルシシスティックなアルバム。ある意味最強のロック。

5月23日(金)
[Music]

joydivision_permanent
Joy Division "Permanent"

ジョイ・ディヴィジョンのベスト盤。とは言っても、これを買うなら、"Substance" を買え、とあちこちで言及されているように、このアルバム自体はそれほど良いわけではありません。選曲はかなり良いと思いますが、これなら他のアルバムを揃えた方が、ずっと面白い音に出くわすと思います。ただ、いきなり「LOVE WILL TEAR US APART」から始まるなど、選曲としては悪いわけではないです。というかジョイ・ディヴィジョンの曲なので悪いはずがありません。

5月22日(木)
[Music]

joydivision_substance
Joy Division "Substance"

ニュー・オーダーの面々が編集したものです。最初期から、自殺直前のものまでがっつり収録されています。最初期の M-1「WARSAW」などは(ちなみにこの曲名はジョイ・ディヴィジョンを名乗る前のバンド名でもあります)、ストレートにパンキッシュな音楽であり、面影は感じさせるものの、それほど印象には残らず。やはり M-5「TRANSMISSION」や、M-9「ATMOSPHERE」、M-10「LOVE WILL TEAR US APART」辺りの楽曲が本当に素晴らしいです。バンドとしての成長もさることながら、何と言ってもマーティン・ハネットのプロデュースも重要かと思いました。内にこもっているのに開放的な(というかホントにビルの屋上で録音してますが)ドラムがもうどうにも気持ちよいのです。これなら、ひたすらジョイ・ディヴィジョンを聴いていればいいのではないか?

5月21日(水)
[Music]

joydivision_closer
Joy Division "CLOSER"

SNOOZER 誌の連載に「俺達を作った、この5枚」という企画があります。自分に最も影響を与えた5枚を、アーティストに選んでもらうというものなのですが、これが結構面白いのです。で、この中で最多登場回数を誇っているのがこれです(編集部談、近いところではマニック・ストリート・プリーチャーズ、モービーを確認しています)。ジョイ・ディヴィジョンの 2nd はイアン・カーティスの自殺直前にレコーディングされた最後のオリジナル・アルバム。解説の野田努の言葉を借りるわけではありませんが、1st に比べてずいぶんと内側にこもったアルバムで、ダンス・ビートによる開放感はあまり感じられず、もっとストイックな重さを感じます。そして、ヴォーカルはより一層深く暗い、荘厳さすら感じさせるのであります。すごい。個人的にはM-8「TWENTY FOUR HOURS」が一番です。震えます。

5月20日(火)
[Music]

joydivision_unknownpleasures
Joy Division "UNKNOWN PLEASURES"

ファクトリー・レコードが生み出した最高のロック・バンド、ジョイ・ディヴィジョンの 1st を再聴しました。ダークな雰囲気が全体を支配していますが、それは陰鬱や悲しみというよりは、鬱屈した怒りの表現のように感じられます。低音部隊の素晴らしいハンマー・ビートに乗っかって、つんのめったイアンのヴォーカルが低く重く繰り広げられる様相は、唯一無比なものではないかと思います。素晴らしくてうまく言葉になりません。

5月19日(月)
[Music]

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The Clash "The Clash"

"LONDON CALLING" を再聴したら、想像以上にものすごく良かったので、1st もついでに聴きなおしてみました。邦題は『白い暴動』。真っ正直にパンク一辺倒な感じの楽曲が並びます。ひたすら縦にゆれる感じで、やや辟易してしまう箇所もあり。やはり 3rd やらと比べてしまうと、音楽的な広がりは弱く、聴き込むというよりは、がつーんと一息に聴いてしまいたいアルバムだと思います。とはいえ、M-2「Remote Control」や、M-8「London's Burning」などはメロディーが結構きれいで印象に残ったり、M-12「Police & Thieves」ではレゲエを導入して以降の作品の習作っぽさを感じさせたりと、随所に光る部分はありました。などとはいっても、まあ何よりも、ガンガンきこうぜ、という勢いで全編構成された作品だと思います。

5月18日(日)
[Book]
「IKKI 6月号」。新連載の、カサハラテツロー「RIDE BACK」が面白そうです(→本人のサイト)。初めて読んだ人なのですが、鬼頭莫宏にやや劇画入った感じの絵柄と、バイクっぽいロボットものとが上手くマッチしており、主人公が2001.9.11に生まれた女の子だったり、学園紛争が起きてたりと、とても気になる漫画です。他の連載陣では、原一雄にだんだんはまってきました。あとはみんな面白いです。

[Music]

clash_londoncalling
The Clash "LONDON CALLING"

というわけで、JLP の仰せのままにチェックしました、クラッシュの傑作 3rd です(再聴ですが)。昔聴いた時は、M-1「LONDON CALLING」の衝撃が強すぎて他はあんまり印象に残らなかったのですが、今聴くとなんでこのアルバムの良さに気づかなかったんだろうと恥ずかしいばかりです。当時私がいかに、商業主義的おセンチソングに洗脳されていたかということの証です……。内容は、もう決り文句のようですがあえて書いてしまえば、パンクという枠を飛び越え、ロカビリー、ブルーズ、レゲエ、スカなど様々なジャンルを自在に行き来する軽やかな楽曲群に、やはり大興奮します。聴けば聴くほど良い。全曲素晴らしい。ちなみにこのアルバムが出た、1979年は、Joy Division が傑作 "UNKNOWN PLEASURES" を出した年でもありますね。何かすごいです。

5月17日(土)
[New]
20 BEST ALBUMS 2003

[Book]
「少年エース」と「エース特濃」を一息に。やはり特濃の方が圧倒的に面白いです。ツガノガクの「時をかける少女」も、大塚英志原作の JDC シリーズも(狂言回しが笹山で、「つーかサイコじゃん!!」とつっこんでしまうのもそれはそれ)、押井守原作の都々目紅一漫画も(絵の構図などがまさに押井映画をほうふつとさせます。杉浦守ナイス)、みんな面白くて。本家がかすんでしまう……。

[Music]

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The Jerry Lee Phantom 『HIGH ★ SCHOOL ★ DISCO』

まず、何はともあれ M-1「THE CLASH」の歌詞を紹介させてください。「Oh Baby! the clash を check it now! ROCK ★ DUB ★ FUNK ★ DISCO ★ STAR!」を延々とリピート。この曲名にして、この歌詞。すげぇ。この屈託の無さ、そして思いっきりカタカナ英語発音の歌い方が JLP の魅力なのです。最初はものすごく恥ずかしいですが、そのうちくせになります(きっぱり)。前作は、エレクトロニクスの導入が戸惑いとなって表に出てきてしまっていましたが、今作はあくまでも一要素という感じで、うまく消化できていると思いました。しかも JLP は下地にファンクがあることも重要ではないかと。つまりどこに針を振ったって、ダンス・ビートであることには変わりないのです。最近 NY のポスト・パンクがどうとか言っていますが、そんなんジェリー・リー・ファントムが何年も前からやってんだぞ、オラ、って感じです。

5月16日(金)
[Book]
舞城王太郎『九十九十九』読了。圧倒されました。以前かたか味さんが「清涼院と小林恭二(ゼウスガーデン)はおんなじ方向性」というような話をされていて、その後読んでなるほどと思ったのですが(小林の方がずっと面白かったですが)、実はこれを読んだ時にもおんなじようなことを感じてしまったのです(多くの人は否定するかもしれませんが)。そして舞城の方が当然はるかにすごくて、まったくもって清涼院の作家性を完全に打ち負かしてしまった感じです。反復を繰り返しながら、物語としてはどんどん崩壊していく様は、ちょうどミニマル・テクノの持つ開放感を表現しているようでありました。つまり、後になーんも残らないけど、その瞬間がひたすら楽しい、みたいな。でも楽しい、というよりは、もっと内側に、気持ち悪い方向に向かっているかも。ともあれこれはとんでもない作品であります。

[Music]

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THE JERRY LEE PHANTOM @ 渋谷タワーレコード STAGE ONE

いわゆるレコ発ライヴですが、ベースの中村氏が本日脱退ということで、盛り上がりも相当なものがありました。ダンス・ミュージック、エレクトロニクスを取り入れたバンドって、CD だと妙にバランスが悪いという印象が強いのですが(彼らの前作や、少し前のプリ・スクールなど)、ライヴになると音のバランスがバンド・サウンド的な部分が強くなって、とても良くなるという印象が強くて、やはり、みんなライヴを見て判断して欲しいなぁと思ってしまいます。で、その印象は彼らにもそのまま当てはまって、3rd の頃の曲とかもやりましたが、ファンクっぽい原曲に上手い感じにダンス・ビートが入り込んでいて、とても気持ちよく踊れました。終盤「FREEDOM」やアンコールなどは、特別な気持ちが入りすぎて、演る方も踊る方もしっちゃかめっちゃかでしたが。ともあれ、ベースが素晴らしくて、ものすごくかっこいいフレーズも演りながら、しっかり底辺でリズムを支えていて、正直中村さんが抜けるのはまずいんじゃないのか、と心配になるくらい、ベースが良かったです。脱退は残念ですがしかし、自主レーベルも走りだしたばかりですし、JLP はこれからも注目していきたいと思います。

5月15日(木)
[Music]

whitestripes_elephant
The White Stripes "Elephant"

前作はそれほど私の琴線には触れなかったホワイト・ストライプスですが、このアルバムはとても良かったです。ひとつひとつの音の要素が素晴らしい。シンバルとキックしかないような無茶苦茶なドラム、そしてうねりを上げてメロディーを奏でているかのようなベース、つんのめった感じで暴れまくるギター、そして低くハスキーで中性的なヴォーカル。さらに、メロディーが確実に進化した印象です。思考をぶっ飛ばすかのように、一気に持っていく力強さを獲得した感じです。さらに、ガレージに収まりきらない楽曲のジャンルの幅広さは、他のバンドにはありません。ブルーズ、カントリー、パンク……。そしてそのどれもが嫌味なくらいかっこいいのであります。傑作。

5月14日(水)
[Music]

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P J HARVEY "RID OF ME"

PJ・ハーヴェイの2nd。最初聴いていて、やけにグランジだなぁと思っていたらスティーヴ・アルビニがプロデュースしてました。これは、ブルージーというか、ビートが強くて踊れる感じがあった1stと比べると、結構な転換といえるかもしれません。まず全く横に揺れません。そしてひたすら深く、鋭角で悲しげな楽曲群。性的な欲求不満と満足感そのものを歌詞に表現するバンドとしては、インパクトは抜群でかなりエロいですが、聴いてるこっちが疲れてしまうかも……。個人的には1stの方が好きです。

5月13日(火)
[Music]

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THE KILLS "KEEP ON YOUR MEAN SIDE"

ガレージ・ブームの最終形としての、ブルージーなロックの復権、それがこのキルズではないでしょうか。セクシーなヴォーカルと攻撃的な曲調は、やはりというか、スヌーザーに書いてある通りというか、YEAH YEAH YEAHS、そして何より PJハーヴェイを彷彿とさせます。どちらかといえば、彼女らと比べると、キルズはもっと気だるげで、ダーク。UK 風味が入っているという感じです。そして YYYs がフレーズで一気に持っていくジミ・ヘンのようなギターである一方で、キルズはじわじわとはまってくるギター・リフが印象に残ります。こちらはこちらでオリジナルな魅力があり、やはり素晴らしいです。とても気に入りました。余談ですが、バンド名もさることながら、メンバーがロンドン出身の「ホテル」と、フロリダ出身の「VV(ヴィヴィ)」というのも面白いです(が音は本気です)。

5月12日(月)
[New]
10 BEST ALBUMS 2003

[Book]
東浩紀・大澤真幸『自由を考える』読了。対談集です。私はこれに収録されている、ジュンク堂での対談に、かたか味さんに連れられて行っているのですが、大変面白かった覚えがあります。失われていく匿名性とか、動物的に管理される社会などについての話は刺激的であり、深く考えさせられました。この本もその延長線上という感じでとても面白く読めました。私は、それこそ学術書など読まない人間ですが、この本は、東の言うように、「理論に興味のない読者」こそが読んで、しかも理論に興味を持つきっかけになる可能性を持っていると思います。

[Music]

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YEAH YEAH YEAHS "FEVER TO TELL"

こ、これは傑作……。今年のベストワンは早くも決定か!? いわゆるロックンロール・リヴァイヴァル・ブームに乗っかった感じのバンドの中では、群を抜いているかと。つまり、他のバンドにはない素晴らしい要素を持っています。無邪気さがありながら、強烈な艶っぽさも持ち合わせている女性ヴォーカルと、イントロからぐぅーっと引き込まれる、太くてうねりの効いた、ブルージーなギターがそれです。この瞬間的な力強さは、ジャンルに拘泥することなく、軽やかに飛び越える爽快さを感じさせます。しかも、ヴァリエーションに富んだ楽曲群はどれも素晴らしい。最高。

5月11日(日)
[Music]
シングルまとめていくつか

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市井紗耶香 in CUBIC-CROSS 「ずっとずっと」
アレンジのレベルは明らかに違います。安っぽいシンセはなりをひそめましたね(まあ編曲違うからですが)。曲調は大転換と言えるかもしれませんが、大衆的にはどうなのか気になるところです。個人的には、曲調やら全体的な展開やらが、ちょっと古臭い気がしてあまり好みではありませんが、良質であることは間違いありません。
モーニング娘。 「ひょっこりひょうたん島」
アレンジは気合入っているんですね……というくらいです。ともかく、娘。作品は、他のハロプロ系に比べると、アレンジに関しては、良くも悪くもいっぱい遊びが入っていると思います。そのベクトルでは気合は入っていると思いますが……。
松浦亜弥 「ね〜え?」
コニー!! という感じですね。1曲聴くとだれてしまいますが、インパクトは抜群でした。とはいえヴォーカルは何かどんどんうまくなっていく印象があります。おそろし。
藤本美貴 「ブギートレイン '03」
これものすごい出来がいいですね。ダンス・ミュージックだなぁ。楽曲自体が、完璧に形の決まった曲調という感じなので、悪くなりようがないと言えばそうなのかもしれませんが、相当がんばらないとこの完成度は出せないと思います。
安倍麻美 「理由」
イントロのギターがかっこいいです。メロディーもかなり好み。筒美京平については全然詳しくないので他がどうとか分かりませんが、これは良い曲だと思います。古くてかえって新鮮という気も。

5月10日(土)
[Movie]
『WATARIDORI』を観ました(→公式サイト)。for better or for worse さんのレビューを見てとても観たかった映画です。とにかく、渡り鳥を撮る、というためだけに、準備1年撮影3年制作費30億をかけたというとんでもない映画です。とにかく、鳥との距離が近い近すぎます。ペリカンの映像なんて、羽根がカメラに当たってるんじゃないか!? とまで思いました。CG では決して出せないリアリズム。私も他の観客も、うへぇ、すげぇと感嘆の声ばかり漏らしていました。すごい。

[Music]

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THE WHO "A Quick One"

ザ・フゥー(当時はジャケットにこう書かれていたようです)の 2nd。何か4人全員が曲作りをしているそうで、結構散漫な印象です。いや1曲1曲は決して悪くない、どころかかなり良いですが。キース・ムーンの作った、M-3「I NEED YOU」、M-6「COBWEBS AND STRANGE」はドラムがすごかった。純粋に音のバランスもでかすぎですし。ソロ・パートが暴れまくりでした。エントウィッスル作曲の M-4「WHISKEY MAN」は擬似ステレオとのことですが、イヤホンで聴くと何か変なバランスで気持ち悪いです。曲は良いです。ダルトリーの M-8「SEE MY WAY」はリズムが面白いです。あとはやはりラストを飾る(ボーナストラックを除いて)10分近いロック・オペラ M-10「A QUICK ONE」はかっこよかったです。

5月9日(金)
[Music]

hothotheat_makeupthebreakdown
HOT HOT HEAT "MAKE UP THE BREAKDOWN"

最近のミュージック・シーンについて語る際、アメリカ、イギリスを問わずやはり、ストロークスの影響というのは避けて通れないわけで。音そのものもそうですが、以降他のバンドが吹っ切れたきっかけとなった面も大きいのではないかと思います。何か、シーン全体が伸び伸びしているような印象を受けます。この、ホット・ホット・ヒートはカナダのバンドで、音はニューウェーブっぽいサウンドに加えて、古さと重さを持ったダンス・ビートであり、やはり彼らも、という感じがします(もちろん良い意味です)。また、大陸っぽい、あっけらかんとしたパワーポップ系のメロディーも、かなり入っているという、ちょっと面白い要素も入っており、良いアルバムだと思います。サマソニが楽しみです。

5月8日(木)
[Music]

aphextwin_richarddjamesalbum
Aphex Twin "Richard D. James Album"

エイフェックス・ツインの聴き方を何となくつかんだような気がするので(というか今までが偏見持ちすぎです)、このアルバムも聴いてみました。今思うと、この歪んだ顔ジャケも、無邪気さの裏返しと言えるかもしれません。で、アルバムの中身はこれはもうかなり良かったです。アンビエントなドラムンベースという感じで、きれいなメロディーと刺激的なリズムがとても心地よく、そして興奮しました。例えば私は、テクノといえばレイハラカミから入ったような人間なので、変な音に対する反応が良くも悪くも鈍いと思っているのですが、このアルバムは、そういうのを超越した普遍的なかっこよさを持ち合わせていると思いました。彼は鬼才という言葉でよく形容されますけど、もっとメインストリームっぽく純粋に、天才と表現していいのではないでしょうか。

5月7日(水)
[Movie]
ウルトラセブン「第四惑星の悪夢」を観ました。アルファヴィルだー。

[Music]

ymo_yellowmagicorchestra
Y.M.O. 『イエロー・マジック・オーケストラ』

紙ジャケでひととおり買い揃えていたのですがようやく聴きました。ちなみにアルバムをちゃんと聴くのはまったくの初めて、完全に初心者です、ということをお断りしておきます。最初はゲーム音が聴こえてきて、何だかほのぼの、のんびりしていました。異国情緒を感じさせるメロディーのシンセサイザーは、かっこいいと同時になぜか懐かしい感じ。そして中盤以降は「東風」は聴いたことあるやとはしゃぎつつ、終盤のピアノがかっこよかったりとか、「中国女」や「Mad Pierrot」がとても気に入ったりしました。

5月6日(火)
[Music]

bis_newtransistorheroes
bis "the new transistor heroes"

私の中ではすっかりハイプとなっていた bis のデビュー盤です。97年作品。今聴くと、結構ニューウェーブな肌触りを持っていて、やんちゃなパンク系という印象がだいぶ覆りました。結構今の踊れる感じのロック・ミュージックですね。悪くない。やはり古い(しかも悪い意味で、安っぽいというか)感じはしてしまいますが、思ったよりも良質でした。ところどころで照れがはいったかのようにふざけるのには、げんなりしましたが。しかもこの人達、地道に活動続けているみたいで、それは知りませんでした。その辺も好印象です。

5月5日(月)
[Music]

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ROVO @ 日比谷野外音楽堂

GW 最終日。休日の午後に ROVO を聴ける幸せをかみしめたライヴでした。ゲスト多数出演。登場順に感想をば。
エマーソン北村。背広着て、ひょろっと登場。エレクトーンとリズムマシーンというシンプルな構成で地味に何曲か披露していました。七尾旅人の伴奏みたいな感じ。夕方の和みモードに良い雰囲気でありました。
ASA-CHANG & 巡礼。ASA-CHANG がスカパラの人だったとは知りませんでした。タブラのほわんほわんした不思議な音に、サンプリングされたヴォーカルが同時に乗っかってくるという音の構成がとても心地よく、そして「花」はやはり名曲でした。
DJ EYE。このあたりから通路にも人が入り始め、ダンス・モードへ突入。普通に踊れる曲をつないでおりました。このころから酒が回り始めて酔い気味。
そして ROVO 登場。演奏開始後数分で、こちらは文字通りトランス状態でした。すごい。日も落ち、幻想的なライトアップに包まれた野音は、別世界のようであり、異常に心地よかったです。もともと ROVO の音楽は野外で聴くのが良いであろうなと思っていたのですが、これほどに素晴らしいとは思いませんでした。全ての音が一聴した感じバラバラでありながら、ひとつの流れとして徐々に上り詰めていく展開に、くらくらしっぱなしでした。ツインドラムのかけあいの個所などは鳥肌が立ちました。
という感じで、記憶もぶっ飛んでて曖昧ですが、最高でありました。日比谷野音というシチュエーションも相乗効果を生み出していたと思います。ここ好きです(持ち込み自由だし)。本当に良かったです。

5月4日(日)
[Book]
トニー・ウィルソン『24アワー・パーティ・ピープル』読了。ノベライズとのことですが、モデルとなったトニー・ウィルソン本人が書いており(しかも三人称)、ちょっと面白い構造だと思いつつ読みました。内容はまああんまり映画と変わらないですが、ニュー・オーダーのヴォーカル決定の場面は面白かったです。

[Music]

autechre_draft730
autechre "DRAFT 7.30"

オウテカは前作 "Confield" しか聴いたことありませんということをお断りしておきます。で、ニューアルバムを聴いてみました。楽曲は前作よりも分かりやすい感じがします。わかりやすいといっても、不規則で細切れにされたリズムが全編を支配していることには変わりありませんが。不条理さが分かりやすく出たという感じでしょうか。ポップさを強く感じます。そして、音のひとつひとつが力強く響いてきます。前作が、聴く者を落ち着かなくさせる不安なアルバムであったのに対して、今作は、聴く者を強烈に打ち据えトリップさせるアルバムと言えるかもしれません。

5月3日(土)
[Music]

nine_8gatunoreceiver
ニーネ 『8月のレシーバー』

オザケンの「恋しくて」をカバーしたり、岡村ちゃんのトリビュートに参加してた、ニーネの1stです。ふらふらした感じで不安定なヴォーカルが印象的なロックバンドです。何か、聴けば聴くほどかっこよさにはまってくる感じです。無茶してぶっ飛んだヴォーカルやらの部分と、どっしりと落ち着いたバックの部分とが合わさって、いい感じのグルーヴを生み出していると思います。これはいいです。

5月2日(金)
[New]
CD のお買い上げ 4月分

[Book]
ロバート・ハンター『虹の戦士たち グリーンピース反核航海記』読了。グリーンピースの PV は以前かたか味さんに見せてもらったことがあって、R.E.M. の「It's The End Of The World As We Know It (And I Feel Fine)」をバックにやたらかっこいい映像だったのを覚えています。この本は核実験に反対するために現地まで航海したその記録ですが、これもやたらかっこいい感じでした。エンターテインメントとしてもなかなか。翻訳は読みづらかったですが。
鳥飼否宇『桃源郷の惨劇』読了。まあ400円文庫ということで、あまり練らずにアイデアを放り込んだ感じのやっつけ仕事系でした。落ちなどは、労作ではありますが……。

[Movie]-[Music]

movie_24hourspartypeople
『24アワー・パーティ・ピープル』

ようやくですが、観てきました(→公式サイト)。映画館へ向かう間は、ジョイ・ディヴィジョンのベストで予習。とはいえ、私はマンチェスターは好きですが、マンチェスター以降の世代のアーティストが好きなのであり(ローゼス、ダヴスなど)、当時の人たちについてはあまり詳しくないので、勉強の意味合いが強かったですが。で、内容自体ですが、これはもうとても楽しめました。ハッピー・マンデーズがやはり主役というか象徴であり、ドラッグに溺れてあとは落ちるだけ〜という感じでした。それでも昨今の頭でっかち日本映画と違うのは、それでもあっけらかんとしてヤクをやり続けましたとさ、ということでしょうか。あとは好きな音楽がいっぱい聴けてそれも楽しかったです。というかそれに尽きます。ちょっと内輪受けっぽい感じもありましたが(TV プロデューサー役の本物のトニー・ウィルソンが、劇中の彼の司会っぷりに思いっきりダメだしをするところとか)、それに目をつぶっても、巨大でいい加減でとんでもないムーヴメントだったんだなと改めて感じました。マンチェスター万歳。

5月1日(木)
[Movie]
『シカゴ』を観ました(→公式サイト)。アカデミー賞もゲットした、ミュージカル映画です。感想は、とても面白かったです。正直言ってあまり期待していなかったのですが、非常に分かりやすいストーリーに、時折というかしょっちゅう挿入されるミュージカルのシーンがとても良い出来でした。例えば『ダンサー・イン・ザ・ダーク』が映画の中に歌のシーンが入り込むという感じであるのに対して、こちらはミュージカルそのものを映画的手法で撮ったという感じでしょうか。あと、弁護士役のリチャード・ギアのうさん臭さといったら、面白くてしようがありませんでした。二枚目半的な存在として超はまり役。想像以上に楽しめました。
『ムーンチャイルド』を観ました(→公式サイト)。ガクトやらハイドやらが主役をはるという、何で私がこれを見る羽目になったのか……、という作品でありますが。過ぎ去りしセピア色の青春を描きつつ、アクションもふんだんに盛り込まれたりして、意外にも完成度はそれなりに高いものでした。映像に PV っぽいエフェクトががんがんかかっていて、映画という点は抜きにしてその映像処理自体は結構楽しめました。でも、いかんせん優等生的に真面目にやりすぎているという気がします。エピソードを盛り込みすぎて、お腹いっぱい状態。破綻を生じないようにしようとするあまり、テンポを失っており、「凶気の桜」的なつらさを随所に感じた映画でした。最近の日本映画ってこういうの多いんでしょうか。あと、ハイドの演技が下手すぎて、観ているこっちがハラハラ。

[Music]

big200_yourpersonalfilth
BIG 200 "YOUR PERSONAL FILTH"

全く知らない人たちですが、調べたところ、「CHICKEN LIPSとしてもおなじみのANDY MEECHAM、DEAN MEREDITHに、DAVE ATHERTONとJONNY MUSHROOMの2人のボーカルを加えたユニット」だそうです(→通販サイトの紹介文より)。と言われても知らないのですが……。音は今のニュー・ウェーブ・リヴァイヴァル風で、ダブっぽいダンス・ビートでした。途中非核演説(日本語)が入ったり、基本的には重苦しい感じが強かったです。かなり面白い音が鳴ってはいるのですが、通して聴くには暗くて辛いものでした。


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